2014/08/03

新書発表会


 昨日と今日の新書発表イベント、円満に終了しました。計23冊の本を買っていただきましたので、3,450元を高雄市の義援金窓口に寄付いたします。(後日またご報告します)
 本日の吳園・十八卯茶屋での発表会は約50名の方にお越しいただき満員御礼でした。旅行先で撮った写真をスクリーンに流しながらそれぞれの土地でのエピソードを語りました。九日間にわたる道教の巡礼行「大甲媽祖遶境進香」、台東のリゾートホテル建設に対する抗議活動、三線を背負い50ccの中古スクーターで回った台湾本島南端の恆春半島、金門島で地元のシーサーを探しあるいたこと、原住民Thao族の島・蘭嶼を歩いて一周したこと等々。
 その後ゲストお二人に、旅行の意義をテーマにお話をお聞きしました。台湾のヒップホップ界を代表する歌手の大支さんはインドへダライラマを訪ねに行ったときの体験を、台南の地図を書いて下さった画家の謝依平さんはご自身の作品を見せながら、自身の特別な体験や場所を絵によって記録することに目覚めたエピソードについてお話くださいました。上海旅行中、カメラが壊れたために旅先の風景を絵で記録したことが、彼女の画家としての仕事の始まりだったそうです。
 最後に三線で宮古島の民謡を歌い、本にサインし、円満解散。

 もし何かしら特別な体験をしたり印象的なものを目にしたら、それを他の人びとに伝えなければならない、とは本の帯にコメントを寄せてくださった私の先生、管啓次郎さんの言葉です。大支さんはご自身の体験を歌によって、依平さんは絵によって記録し、発信しています。僭越は承知ですが、わたしも文章によってそうしていきたい。
 今までに大勢の台湾の方から、私が行ったところは一般の台湾人より遙かに多いと言われました。そうかも知れません。しかしながら、単純にあちこち見て回ることと比べて、その背景にあるものを理解することはきわめて難しいものです。
 どんなに腕のいい画家でも、風をちょくせつ描写することはできません。画家は木の葉や髪の毛、雲や波などを通して風を表現します。本書のサブタイトルは「南風のスケッチ」。南風は台湾です。台湾とはかくかくしかじかな場所である、と私は言うことができません。ただ自分が見たり聞いたりしたことを、一つ一つ書き留め、あるいは写真におさめ、それらを集めていくことを通して、台湾の複雑な様相を少しでも浮かび上がらせたいと思いました。そのある段階での報告がこの本です。次はどんなかたちで南風をえがこうか、構想中です。ご期待ください。

  昨天跟今天的新書分享活動都圓滿結束了。謝謝Room335老闆阿凱先生,十八卯茶屋老闆葉東泰先生和員工們的幫忙。
  書賣得總共23本,非常感謝大家的協助! 150元×23本=3,450元,我會捐款給高雄市政府社會局社會救助金專戶。(過幾天內再報告)
  今天大約50個人來十八卯茶屋參加新書分享會,我一邊放著一些在旅行上拍下來的照片一邊說故事,說到大甲媽祖遶境進香,美濃的藝術家,台東反美麗灣演唱會,背著三線騎二手50cc摩托車去恆春半島,坐船去金門找風獅爺,在蘭嶼走路環島等等。
  之後跟兩位貴賓聊到關於旅行的意義,大支老師講赴印度見到達賴喇嘛的故事分享給大家,畫家謝依平老師一邊放著手繪作品一邊講其故事,環島旅程中的他「決定動筆畫下路圖中的一切,做為人生中的里程碑」。
  最後我彈著三線唱宮古島民謠「なりやまあやぐ」和「中立ぬみががま」,簽書,聊天。

  旅行會讓眼界大開。我研究所老師管啓次郎先生曾經說:如果你有很特別的體驗的話,一定要把它分享給他人。大支老師把自己的體驗用寫歌來紀錄而表現,謝老師的話用畫圖,我的話用文章。
  很多人跟我說:你去過的地方比我還多。有可能是。但,了解我所看過的地方的背景是一件不簡單的事。
  世界上有一些東西難以畫下來。例如說「風」。就算多麼高手的畫家,也不能把風直接畫下來。畫家通過描繪出被風搖動的樹葉,頭髮,窗簾,或者雲彩,海浪,砂子等等來表現出風的樣子。
  這本書名叫《素描南風》,南風代表台灣。我不敢直接寫出台灣是什麼樣的地方,只能用把自己在台灣所看見或者思考的事情一個一個描寫下來,及用相機拍下來,來想表現出在我眼中的台灣的面貌。也有好的,也有壞的。
  希望這本書能夠使很多日本讀者更關心台灣,愛上台灣。