2023/11/07

今福龍太先生と台中で再会

 2009年の11月、人類学者今福龍太先生が主催される「奄美自由大学」に参加し、与論島から沖縄本島、本島北端の奥というちいさなまちから那覇へ旅しました。与論島の夜、満天の星の下、さとうきび畑に囲われた芝生の広場で、今福先生と沖永良部の唄者福山利明先生が三線をはじかれ、地元の方々とヨロン民謡・十九の春を歌われました。踊る人もあれば、黒糖焼酎を飲みゆんたくする人たちもあり、歌声はいつまでも糸を引くように続いてゆく。スーツ姿で参加していた私は、東京に帰るなりすべての服をダンボールに詰めてかりゆしウェアに着替え、沖縄の先生に三線を習い始めたのでした。
 昨日、今福先生が台中にこられ、艸田空間というアーティストのご夫婦が運営されているカフェで、東アジアの弦楽器をめぐるトークと歌の会を開かれました。十数年ぶりに今福先生や、ともに旅した中興大学の朱恵足教授にお目にかかれ、またスクリーン越しになつかしい人々の姿も見かけ、フェリーの上で歌い踊ったサイサイ節や、てぃんさぐぬ花などを声を合わせて歌い、感無量です。
 あの旅の途中、先生は我々にモクマオウ(木麻黃)という植物の種をくださって、この植物が南太平洋一帯に生息していることを教えてくれました。台南の海辺にもたくさん生えているので、台中へ行く前、海辺でいくつか拾ってきて、本とともに先生にさしあげました。
 帰りのバスがなくなり、泊めていただけることになり、イベントが開かれた部屋で横になりながら日記を書いています。この日のことは生涯忘れないでしょう。

  2009年11月,我參加了一場人類學者今福龍太老師主辦的學習性旅遊「奄美自由大學」,從與論島坐渡輪到沖繩本島,從最北邊的奥到那霸市。住在與論島的晚上,滿天的星星下,在被甘蔗田圍繞的草坪裡用餐,今福老師和來自沖永良部島的福山利明老師彈三線,跟在地朋友們一起唱與論民謠「十九の春」,有人跳舞,和黑糖燒酒,一直一直連綿的唱下去,深深地打動我的心。穿著西裝參加的我,一回到東京把所有的衣服放入紙箱,從此以後每天都穿沖繩花襯衫,找沖繩老師學習三線。那一趟旅程改變了我的人生。
  今福老師昨天來到台中,在很有藝術氣息的咖啡廳「艸田空間」辦一場東亞弦樂器分享會。時隔十幾年和今福老師,還有那一年一起到與論島的中興大學台文所朱惠足教授重逢。有幾位來賓,音樂家林群超老師帶著三線專程從台北來,借給今福老師。彈月琴唱台語歌的王信允老師,也是隔了15年後再次與今福老師見到面,合奏てぃんさぐぬ花(鳳仙花)。
  我記得當時今福老師送給我們團員木麻黃的種子,說:這是整個南太平洋的島嶼都會看得見的植物。所以我早上去台南漁光島撿了幾個木麻黃,和《遊步台南》《福爾摩沙三族記》(日語版)一起送給老師。人生有點像螺旋,人有悲歡離合,但願人長久。
  夜深了,回不去台南,阿寰、小蓮老闆伉儷讓我住活動空間,整夜回味無窮。