2019/09/21

フランコ・カッサーノ『南の思想』

 10年ほど前に恩師・米山優先生から薦められたフランコ・カッサーノ『南の思想 地中海的思考への誘い』(講談社選書メチエ)を読み返している。カッサーノは南イタリア・バーリの思想家。西洋の経済至上主義を「ホモ・クーレンス」(走り続ける人間)「走行の原理主義」という概念を使って批判しながら、イタリア北部と比べて「遅れている」と見なされている南部の、劣等として理解されている諸特徴の中から、人生と共同体を豊かにするヒントを引き出している。

「一般のイタリア人が抱く南イタリアのイメージは、一般の日本人が抱く東南アジアのイメージにきわめて近いように思われる。景色が美しい、歴史遺産が多い、食べ物がおいしい、人は親切で、生活はのんびりできる。しかし、にもかかわらず、街が汚い、人はあまり仕事しない、インチキが多い、治安が心配などというイメージだ。」(p.8)

 この本の中の「南イタリア」を「台南」に置き換えてみると、気味が悪いくらいに、台湾社会の現状を的確に言い表した分析になる。日本と台湾について考えるとき、イタリアを比較対象に取り入れると、より深い分析ができそうだ。

 ぼくが台南に感じる魅力の一つは「老・古・遅・小・弱」といった負にとらえられがちな要素がここでは肯定され、尊重されることにある。そしてカッサーノも「遅さ」の重要性を強調する。

「カッサーノが言う遅さとは、従来の南を特徴づける、従属や無関心が生んだ『鈍さ』ではない。反対に、現代の新資本主義がわれわれに強制しようとする『加速』への、現代的解毒剤である。…速く生きることによって、時間をかけてしか経験できない大切なものを失ってしまう。」(p.11)

最近開始重看Franco Cassano《 Il Pensiero Meridiano》(日文版書名:南方之思想),作者是住在義大利南部小鎮Bali的思想家。他一邊用「一直奔跑的人類」「奔走之原理主義」等概念而批判西洋文明的經濟至上主義,一邊從義大利南部所擁有的各種特性(一般來說,這些特性是被認為「落後」的)裡,找出會讓個人的生命及人間社會更充裕的智慧。

引用:“大多數義大利人對義大利南部的印象,好像類似一般日本人對東南亞洲的印象。則是景色很美、歷史遺產很多、食物好吃、人們很親切、生活很悠閒。另一方面街道不乾淨、人們不勤勞、詐騙很多、治安令人擔心等等。”

如果將在這本書裡寫的「南部」換成「台南」的話,作者的分析就可以看成指出台灣社會正在面臨的問題。可能我以後思考台灣或日本社會的某些問題時,以義大利社會為參考的話,分析得能更深入。
我喜歡台南的理由之一在於台南人的價值觀,他們會將「老的、舊的、慢的、小的、弱的」等等通常在外面被否定的特性,卻非常的肯定也會尊重。然後Cassano也在這本裡強調「慢」的重要性。

引用:“Cassano所說的「慢」並不是從服從所產生的「遲鈍性」。相反地,它是一種對現代新資本主義要強迫我們的「加速」的解毒劑。…我們因快速地度過生命,會失去只有花費時間才會經驗到的重要事。”


2019/09/17

テレビ番組「台南向前行」に出演

台南の色々な人物をゲストに招くテレビ番組「台南向前行-落地生根 日本蕎麥麵職人的慢活台南」に出演しました。台南での生活、今までしてきた仕事、台南の魅力などを話しています。

Youtube:https://youtu.be/U-jssJU94sk