2020/11/14

若夏がなれば、心浮かされて

若夏(わかなつぃ)がなれば
心(くくる)浮かされて
玉水におりて
頭(かしら)洗は
——玉城朝薫(1684-1734)

(訳)初夏になれば心は弾み、玉のような水の湧く泉へ行って髪を洗いましょう。

(中譯)
一到仲夏
心裡就會飄然起來
期待到時候去清澈如寶石的泉水
洗個頭

 沖縄では水道のない時代、泉で髪や身体を洗うことはとても心地よい行為だったとか。でも秋から春にかけては水が冷たく、初夏の季節になってやっと入浴に行くことができるので、人々はその日を心待ちにしていたそうです。それはきっと、まるで(特に中華圏の人が)正月を楽しみにするかのように。人類も今、コロナを克服できる日をじっと待ち望んでいます。

  這是一首古老的琉球詩。在沖繩沒有自來水的時代,到泉水洗頭和身體是一個非常舒服的行為。但冬天就不適合,等到仲夏的季節才能開始去洗。所以大家都很期待那個季節,就像期待過年一樣,也像現在全世界的人等待著能克服疫情的一天。