「慢活」(スローライフ)の町とよく謳われる台南で、早ければ来年にもモノレール建設工事が始まるそう。これだけの規模の町に近距離移動用の電車が走るのは何もおかしくないし、移動手段が限られている若者やお年寄りや身体の不自由な人にとっては必要でもある。
ただ、もし五年前にモノレールがあったら、ぼくはこの町に来なかったろう。
三十年前、四十年前のこの町の姿を知っている老台南人(地元の年長者)にとって、ここ数年の急激な「発展」ぶり、どんどんビルや大きな建物が建ち、むかしながらの風景は消えるか商業化の道を突き進むかの二局にわかれ、なじみの場所や店や人が減っていく一方という状況は、果たして?
台南の「慢活」はますます感じ取られづらくなっている。それを探るには、目に見える風景よりも、老台南人の心に注目するべきだ。
(画像は台南モノレールのイメージ図)