2017/09/08

謝銘祐氏と麺包車楽団

 台湾で最も権威ある音楽賞である金曲獎の台湾語部門を二度も受賞した台南の歌手・謝銘祐氏。謝氏が率いるバンド麺包車楽団(麺包は食べ物のパン、麺包車 は車のバンの意味)は結成以来十数年間たびたび老人ホームや養護施設、病院などへ出向いてチャリティーライブを行っている。今までに開いたライブは 1000回以上。主に「思慕的人」や「望春風」「月夜愁」など台湾語の民謡や昔の流行歌を歌っている。時には全ての観客がベッドに寝たきりの人たちで、拍 手さえもできないが、バンドメンバーは演奏を終えるたびに「無音の拍手」を聞き取る。
 無音の拍手とは? それは時には喜びに満ちたまなざしであり、時には一筋の涙である。ある時のライブで出会った一人の女性は40歳で、2歳のときに不慮の事故から知力障害を抱えるようになった。麺包車楽団は過去に童謡を歌ったことがなかったが、謝氏はここで歌わなければと考え、「造飛機」という童謡を歌ったところ、それまで特に反応のな かった彼女が突然笑顔を見せた。メンバーは涙に濡れながら演奏を続けた。また老人ホームでライブをすると、終わってからも入居しているお爺さんお婆さんた ちはなかなかメンバーたちを帰らせてくれない。次に彼らが来てくれるのは何ヶ月も後だと知っているから。「“想要”(欲する事)と“需要”(必要とする 事)は違う。おおぜいの人たちが我々を必要としている」と謝氏は言う。
 そんなわけで麺包車楽団は毎週2箇所から6箇所の施設を訪れてチャリティーライブをしている。台南市を中心に、高雄や嘉義、雲林などの遠方へ出向くこと もある。メンバーたちは皆それぞれ仕事を持っている。バンド活動のために自由に使えるはずの時間をどれだけ犠牲にしていることか。「音楽は一種の伝染病」 とも謝氏は言う。麺包車楽団のメンバーはとんでもない重病人揃いだ。

  金曲獎台語歌王謝銘祐老師率領的麵包車樂團常常到養老院、護理之家或醫療院義唱已十幾年,辦過演唱會已超過一千場次,有時候觀眾都躺在床上,連拍手也沒辦法,但是團員們彈唱思慕的人、望春風、月夜愁等等台語歌曲給他們聽之後,團員們都會聽到「沒有聲音的掌聲」。
  沒有聲音的掌聲是什麼?有時候它只是一個歡喜的眼神,或許是一滴眼淚。有一次一位觀眾,她40歲,2歲時不幸的事故導致智力障礙,麵包車樂團雖沒有唱過兒歌,但是謝老師覺得一定要,於是開始唱「造飛機」,之前都沒有什麼反應的她,一聽到這首歌就笑起來,團員一邊哭著一邊彈奏。或許養老院的阿公阿嬤們,演唱會結束也一直不讓他們離開,因為要等到幾個月後他們才能再來唱歌給他們聽。謝老師說:想要跟需要不一樣,覺得很多人需要我們。
  因此麵包車樂團幾乎每個禮拜都排2~6場義唱活動,以台南市為主,也有時候到高雄、嘉義或雲林等外縣市。團員們都有自己的工作,當團員要犧牲多少自己的時間?謝老師說:音樂是一種感染病。我想他們都是音樂的重病人!

9/17 pm1630~1830 小南吼之開臺天后宮(臺南市安平區國勝路33號)
10/7 pm1624~    南吼音樂季(安平札哈木原住民公園)